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思い出のローカル線

Memories of railroad travel
文と写真、信沢あつし
CREATE:96/12/12(13:00 00/12/05)
Create: 96/12/14 02:46
Update: 04/10/14 18:10
足尾線
ASHIO-LINE

 何が楽しいのかと言われそうだが、鉱山や廃虚が好きである。初めて行った足尾は見るもの全てに感動した。
足尾銅山、渡良瀬付近の住宅
渡良瀬付近の住宅
 足尾の駅から本山抗を目指して線路伝いに歩き出す。線路と川に挟まれた小道の脇にはたくさんの花が植えてあった。
 川に下る道の途中には、何時から営業をやめているのかわからないほど荒れ果てた喫茶店「コハン」があった。
川へ行く途中の「喫茶コハン」
川へ行く途中の「喫茶コハン」
 線路は瓦礫の山に張り付くようにしばらく行って鉄橋となるが、小道は右にカーブし先に鉄橋を渡る。鉄橋の両脇にはロープが張られ、端を歩くと危険などと書かれている。一休さんのように真ん中を歩くが、人気の無い場所であり、一人で静かに息を殺して渡りきった。
 鉄橋を渡り足尾線をくぐると、まもなく「間藤駅」である。たいした勾配ではないが、ここに駅を作るためであったのだろう、簡単なスイッチバックになっている。ここには足尾製作所というのがあったと記憶する。大きな機械やトロッコの残骸がたくさん転がっていた。機械はさびて赤茶け、山も右も左も赤黒くなっていた。間藤の印象は「赤茶色」であった。
足尾線間藤駅付近から瓦礫の山を望む
瓦礫の山を望む
足尾線間藤駅で待機するキハ
間藤駅で待機するキハ
 ある時、朝一番の「間藤行」で間藤に着いた。お腹がすいたので駅の近くで店を探しアンパンでも食べようと入ってはみたものの、パンが無い。しょうがないから、お菓子を買うと、さっきのディーゼルカーの運転手と車掌が入ってきてカップラーメンにお湯を入れてもらっていた。「これだ!」とおばちゃんにお願いし、もう一つ分お湯を沸かしてもらった。アンパンよりも豪華な朝食となった。
住宅の間にレンガの防火壁が
住宅の間にレンガの防火壁が
 間藤を過ぎ、足尾線はまた左へカーブし、鉄橋を渡りまた瓦礫の山に張り付いて走る。道はそのうちに広いロータリーへ出る。
 こんなところに、駅があるわけでもないのに、公衆便所まである。ここで左を向くと、鉄橋がある。この先が「本山抗」である。随分と古い鉄橋で壊れそうであるが、向こうからはダンプカーなども走って来て、何事も無く渡っていく。さっきの鉄橋よりは丈夫そうだが、突然橋の幅いっぱいのダンプカーが来るのが恐かった。
 後でこの鉄橋は「日本でも初期の鉄橋」であることを知った。ドイツ製で現在もダンプカーが走り抜ける程丈夫なのである。昔の物は丈夫に出来ていたのだなと思うとともに、当時の最先端の技術をどこよりも先に導入した足尾銅山の繁栄振りも感じ取れた。
足尾精錬所を望む
足尾精錬所を望む

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※写真は、時折アップデートしたりしています。
また、日付は、ページの作成日であり、写真撮影日とは異なります。
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