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思い出のローカル線

Memories of railroad travel
文と写真、信沢あつし
CREATE:96/12/12(13:00 00/12/05)
Create: 04/11/06 02:51
Update:
西桐生から赤城駅まで
足尾線に乗り遅れて

西武鉄道から来た電車の運転台
西武鉄道から来た電車の運転台

 足尾に行こうと思っていたのだが、両毛線に乗り遅れ、桐生に着いたら足尾へ行く列車はなくなっていた。足尾行きのバスはないかと駅を出る。桐生の町は初めて足尾に来たときのように雨だった。
桐生の駅から路地を抜け上電を目指す
桐生の駅から路地を抜け上電を目指す
 バスもなく、仕方なく駅前を歩き出して「赤城駅に行けばあるのでは」と思いついた。足は上毛電鉄の西桐生駅に向かっていたが、なぜか路地を通り抜け上電の線路を目指していた。それは以前、高校総体のときに歩いた道をだどったのかも知れない。
 路地を抜けると、今度は「のんびりしているとまた乗り遅れる」と思い、まっすぐに西桐生駅に向かう。
 駅に入ると以前、中央前橋からここまで来たときのことを思い出した。頭の中にあった、あの光景はここだったのだと、記憶が繋がる。あの日も雨で、寒々しい改札口を乗客の集団から一人遅れて通り抜けたのも思い出した。改札からのコンクリートはあの時と同じように黒く濡れ光っていた。
 ただ違うのは、ホームに止まっている電車が黄色くないこと。西武から来た電車も悪くはないが、やはり昔のままの西桐生駅には黄色い電車がいて欲しかった。
西桐生の駅に着くと以前来た記憶が蘇った
西桐生駅に着くと以前来た記憶が蘇った
太陽の光は、濡れて汚れた窓ガラスを曇りガラスのようにして車内に入ってきた。
太陽の光は、濡れて汚れた窓ガラスを曇りガラスのようにして車内に入ってきた。
 中央前橋駅からの電車が到着すると、それと交換に、こちらの電車の発車となった。その頃には雨も上がり、太陽の光は、雨に濡れ汚れていた窓ガラスを曇りガラスのようにして、車内に入ってきた。白く汚れた窓ガラスと眩しい太陽の光は、外の光景をぼんやりと流すだけ。でも、それは上電らしさかも知れなかった。
 赤城駅を出ると正面にあるバスの車庫に向かった。数台のバスが待機し、看板の文字がいくつかなくなってしまっている事務所内の待合室で時刻表を調べる。
赤城駅の待合室で時刻表を見て行き先を考えた
赤城駅の待合室で時刻表を見て行き先を考えた
バスを待つ間に上電が走りすぎる
バスを待つ間に上電が走りすぎる
 ここまで来たが足尾行きはなく、仕方なく足尾の方に行くバスを探した。なんで乗り遅れたのか、悔やんでも仕方がないが、この時は、ここに何で自分がいるのか、それを正当化する理由を探していたように思う。バスを待つ間に、上電の電車が目の前を通り過ぎる。これが黄色い電車だったら、ここに来た理由も出来たかも知れない。
 でも、実際はここでバスに乗ったことで、私の楽しい旅は始まったのであった。

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※写真は、時折アップデートしたりしています。
また、日付は、ページの作成日であり、写真撮影日とは異なります。
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